フィリピン探訪記:4日目

フィリピン探訪記:4日目

フィリピン旅行4日目。

この日も周りの物音を目覚ましに起床した。

どうやら他のメンバーもちょうど起きたところらしく、それぞれが活動を始めている。

 

日本にいるときのように水を一口。

ちなみにフィリピンに来てから口にする水は全てペットボトルに入ったミネラルウォーターである。

というのも、フィリピンは水道水が飲めないのである。

フィリピンの水道水は日本の水ほど丁寧に処理されているわけではなく、飲むとほぼ確定でお腹を壊すらしい。

まぁ、日本の塩素臭い水道水も個人的にはどうかなと思うところもあるが(苦笑)

なので、水を飲むときはミネラルウォーターを飲むようにとフィリピン人メンバーから強く言われていた。

そんなわけで、すでに何本目かわからないペットボトルを空にして、服を着替えた。

 

この日はチェックアウトした後にまた別のリゾート施設に移動予定となっている。

着替えをした後に朝食を取り、チェックアウトの時間まで部屋でのんびりする。

出発時刻は10時だった。

 

だが、そこは天下のフィリピーノタイム。

時間通りに行くわけがなかった(笑)

すでにフィリピンに来て4日目。

これまで、事あるごとに時間通りに物事が進まない&フィリピンメンバーは時間を守る気が全くないので、こちらとしても時間を守るという概念がなくなりかけていた。

一応、出発時刻の10時に合わせて一応準備はするが、内心は時間通りに行くわけがないと思っていた。

そして、その予想は見事に的中した(笑)

というか、逆に的中しなかったらそれはそれでビックリしたかもしれない。

それぐらいフィリピンの空気に染まっていた。

 

30分ぐらい遅れてワゴン車に乗り込み、この日の目的地に出発する。

なお、席取りは失敗した(泣)

ここから、また長時間の苦行が始まると思うと若干気が重くなった。

 

この日の目的地は海。

「VILLA ESCUDERO」は内地にあるので、そこから海に向かってワゴン車を走らせる。

約4時間ぐらいで到着するらしい。

日本で4時間移動なんて行ったら、かなりの大移動だが、前日が6時間移動だったので、ちょっと短いなと感じた。

 

移動を開始して、すぐに市街地に差し掛かった。

最初は信号で止まるぐらいで、時間をかけずに抜けられるだろうと思っていたが、そんなことはなかった。

とにかく車の量が多いのだ。

決して狭くはない大通りを車や個人タクシーが埋め尽くしている。

四方を車に囲まれ、車間距離は常に接触寸前だ。

そして、その状態でみんな少しでも隙間があれば、そこに入っていく。

そんな運転をしてるもんだから当然あちこちでクラクションが鳴り響いている。

まさに「カオス」という表現がぴったりの状況だった。

もちろん、カオス状態でまともに車が動くわけもなく、見渡す限りの大渋滞が広がっていた。

 

 

その後、何とか事故も起きずに大渋滞を抜けたときにはお昼の時間となった。

渋滞に巻き込まれた影響で予定していた時間よりは大幅に遅れていたのだが、ここはフィリピン。

お昼の時間になったら、きっちりお昼を食べるのである。

(このとき、運転が雇った運転手さんからヴィーノに変わったのだがやたらと運転が荒かった笑)

 

ついたのは、いくつかのお店がテナントを構えている総合モールのような場所。

ここで手ごろなファーストフード店に入り、お昼を食べることとなった。

ちなみにこのモールに入るときに入口に警備員が何人かいたのだが、みんなごっついライフルのような銃を肩から下げていた。

もちろん、おもちゃではない。

撃てば弾は出るだろうし、当たれば人は死ぬ。

別にその銃が自分の目の前で使われたとかではないが、何か自分の中でピリッとした緊張感のようなものが生まれた。

そして、それと同時に日本の平和さや治安の良さというのは、本当にいいものなんだなという思いが湧きあがってきた。

 

そんなことを感じながら、入口近くにあったお店に入り料理が出てくるのを待つ。

とはいえ、お店の雰囲気からどんなものが出てくるかは何となく予想がついていた。

そう、雰囲気がジョリビーに似ているのである。

あの朝一発目から超絶☆炭水化物セットで内臓に深刻なダメージを与えてきたジョリビーに似ているのだ。

残念ながら、このときに出てきた料理の写真を撮るのを忘れていたのだが、ちょうどいい代用写真があったので、それを掲載する。

 

 

「ジョリビーじゃねぇか!!」

そう思うかもしれないがちょっと待ってほしい。

確かにこの写真はジョリビーで出てきたセットメニューの写真だ。

だが、このときに出てきた料理も大体こんな感じだったのだ。

こんな感じというか、このジョリビーのメニューの春巻きっぽい何かが2切れのピザに変わっただけであった。

ほぼジョリビーと同じである。

そして、春巻き⇒ピザというメニュー変更によりジョリビーよりも内臓への負担が重いセットに変貌を遂げていた。

幸い、今回は朝食ではなく昼食だったために難なく食べきることができたが。

 

そして、そのセットメニューに合わせて茶色の飲み物が出てきた。

「おっ、麦茶??」

なんて思ったあなたはまだまだ甘い。

ここはフィリピン。

水以外の飲み物は基本的に甘いのである。

見た目は麦茶でも味はポカリスウェットだった。

ポカリ味の麦茶である。

正気の沙汰とは思えなかった。

 

 

その後、出発前に各自お手洗いに行っていたのだが、トイレの入り口のすぐ近くに小さなゲームセンターがあった。

そこにはバスケのシュートで点数を競うものやタイムクライシスといった日本でもお馴染みのゲーム機が何台かあった。

そして、その一角に何故かカラオケが置いてあり、フィリピン人のおばちゃんが熱唱していた。

当然、日本のカラオケ屋のように部屋があるわけでもなく、自分の歌声も歌っている姿も周りの人に筒抜けである。

おそらく、日本人でこの状態でカラオケを歌おうとする人はほぼいないだろう。

ここでも日本とフィリピンの違いを発見することができた。

 

 

その後、ワゴン車に戻り、今度こそ席取りでいい席を確保して、再度出発。

結局、6時間かけて目的の場所に到着した。

この日の目的地は海。

そして、宿泊場所はこの海に面したリゾート施設である。

 

少し分かり辛いが「Stilts Calatagan Beach Resort」という場所である。

「スティルツ カラタガン ビーチ リゾート」と読む。

 

ここも昨日、宿泊した「VILLA ESCUDERO」と同じようにそれぞれのコテージに泊まるようになっている。

ただ、昨日と違うのは「VILLA ESCUDERO」のコテージは川の上に建っていたが、今度は海の上にコテージが立っているである。

 


(こんなふうに海の上にコテージが立っている)

 


(桟橋の上、下はもちろん海である)

 
(干潮時はこんなふうに海の水がなくなる)

 


(夕暮れ時にはこのようなキレイな景色になる)

 


(ここでもあったハンモック)

 

この写真を見て、気付いた人もいるかもしれないが実はこの施設、とある有名なリゾート施設にとてもよく似ている。

そう、モルディブ共和国の水上ヴィラである。

 

(モルディブの水上ヴィラ)

 

早い話がパクりである。

おそらく、モルディブを参考に作られたのであろう。

ただ、モルディブに行かなくともこういった水上ヴィラを満喫できるのは非常にありがたい。

コテージも2階建てで7,8人ぐらいは余裕で泊まれる広さであった。

 

その後、せっかくなので海に入り、行けるギリギリのところまで泳いでみたり、ハンモックでゆっくりしている内にメンバー全員がコテージの縁側(?)のようなところに集合した。

これから、みんなで飲むとのこと。

卓上にはテキーラと水といくつかのおつまみが置かれた。

ただ、このときに日本と違ったのはショットグラスが1つしかないことだ。

これはフィリピンのお酒の飲み方なのだが、フィリピンではお酒を飲むときにグラスは1つしか用意せず、それをみんなで順番に回しながら飲んでいく。

これは順番に飲んでいくことで休憩時間を設けて、弱い人でも潰れないようにするためらしい。

もちろん、休憩時間中に水を飲んでもオッケーだ。

こうすることでみんなで楽しく話しながらお酒を飲むのがフィリピン流なのである。

ただ、いかんせん飲んでいるお酒がテキーラの原液なので、弱い人には例え休憩時間があってもあんまり意味がないのではないかと思った(苦笑)

 

そんなこんなで話している内に夕食の時間になった。

夕食はコテージではなく、浜辺から少し上がった丘の上にある食堂で食べる。

多少のクセはあるが、リゾート施設のせいか割りと万人受けするような味付けがされたフィリピン料理が次々と出てくる。

 

食事のあとは、それぞれが好きなように過ごす。

食堂の近くにはプールもあったのでプールに入ったり。

 

フィリピン VS 日本の腕相撲国際大会が開催されたり。

 

フィリピンに昔から伝わるボードゲームをやったり。

 

みんなが思いのままに過ごし、夜は更けていった。

コテージは海の上に建っているため日が落ちると、当然コテージの周りは真っ暗になる。

一応、コテージ内には明かりがあるので不便な思いをすることはないが、コテージの外は見渡す限りの暗闇だった。

日本では夜でも街灯の灯りがあるので感じることはないが、これこそが本来の夜の景色であり、やっぱり日本は物質的に恵まれているんだなと改めて感じた。

波の音を遠くに聞きながら、この日も速攻で眠りに落ちていった。

 

フィリピン探訪記4日目 fin